貯金だけで大丈夫?インフレ時代に知っておきたい「資産運用」の基礎
資産運用は「お金の価値を知ること」からが本当の始まり
「投資は怖いから、とりあえず銀行に貯金しておけば安心」と考えている方は少なくありません。確かに昔は、銀行にお金を預けておけば高い利息がつき、自動的にお金が増える時代もありました。しかし、今の時代において「貯金だけ」という選択は、実は見えないリスクを抱え込むことになります。資産運用を始める前に、まずは「今、私たちのお金に何が起きているのか」という経済の基本ルールを正しく理解することが不可欠です。この事実を知らないまま放置してしまうと、気づかないうちに大切な資産の価値が目減りしていく原因になりかねません。
「インフレ」によるお金の価値の目減り
今、私たちが最も警戒すべきなのが「インフレーション(物価上昇)」です。モノの値段が上がり続ける現象のことで、これは言い換えると「お金の価値が下がっている」状態を指します。
1.銀行預金の実質的な目減り
例えば、今100円で買えるリンゴが、インフレによって来年105円になったとします。この時、銀行に預けたままの100円(金利がほぼゼロの場合)では、もうそのリンゴを買うことはできません。つまり、銀行口座の残高の「数字」は減っていなくても、インフレによってお金の「買える力(価値)」は確実に目減りしているのです。
2.「お金に働いてもらう」という発想
この物価上昇から資産を守るためには、インフレ率以上のスピードでお金を増やす必要があります。自分が汗水流して働くのと同じように、持っているお金自身にも働いて(増えて)もらう「資産運用」の考え方が、これからの時代を生き抜く必須スキルとなります。
失敗しないための「3つの基本原則」
資産運用と聞くと「ギャンブルのように損をするのでは」と不安になるかもしれませんが、正しいやり方を守ればリスクはコントロールできます。
長期(長期間続ける)
数ヶ月や1年といった短期間で利益を出そうとせず、10年、20年という長いスパンで運用することで、一時的な価格のブレを吸収し、安定したリターンを目指すことができます。
分散(投資先を分ける)
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があるように、一つの国や一つの企業に全額投資するのではなく、世界中の株式や債券などに分けて投資することで、一部が値下がりしても他でカバーできる仕組みを作ります。
積立(時期を分ける)
毎月定額をコツコツ買い続ける「ドルコスト平均法」を活用すれば、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことができ、感情に左右されずに平均購入単価を下げることができます。
「預金」と「投資」の正しい切り分け
資産運用を始める際、手持ちの現金をすべて投資に回してしまうのは絶対にNGです。お金にはそれぞれの「役割」があり、目的に応じて正しく切り分けることが最も重要です。
確認すべきお金の色分け
①生活防衛資金
病気や失業などの万が一に備えるお金(生活費の3〜6ヶ月分)。これは絶対に減らしてはいけないため、すぐに引き出せる「銀行預金」でキープします。
②近い将来使うお金
1〜3年以内に使う予定が決まっているお金(結婚資金、車の購入、直近の教育費など)。これも価格変動リスクを避けるため「銀行預金」が鉄則です。
③当面使う予定のないお金
10年以上先まで使う予定のないお金(老後資金など)。この部分こそが、長期・分散・積立で増やす「資産運用」に回すべきお金です。
プロと一緒に「お金の色分け」を行う
「自分には生活防衛資金がいくら必要なのか」「毎月いくらなら投資に回しても安全なのか」を、初心者一人で正確に計算するのは難しいものです。間違った計算で無理な投資をしてしまい、途中で解約して損をしてしまう失敗が後を絶ちません。
だからこそ、金融商品を買う前の初期準備として、お金のプロであるIFAやFPに相談しましょう。第三者の客観的な視点であなたの家計を分析し、安全な「預金」と増やす「投資」のベストな配分をプランニングしてもらうこと。これこそが、将来の不安を払拭し、インフレ時代を乗り切るための最も確実な土台作りとなります。"