子どもの教育資金、学資保険とNISAどちらで準備するのが正解?
はじめに:教育資金づくり=「学資保険」の常識が変わった
子どもが生まれたら、将来の大学進学などに備えて「まずは学資保険に入るべき」と考える方は非常に多いです。親世代にとって、教育資金づくり=学資保険というのは当たり前の常識でした。しかし、超低金利と物価上昇(インフレ)が続く現在の日本において、その「常識」は大きく変わりつつあります。
一方で、非課税で効率よくお金を増やせる「新NISA」が普及し、教育資金をNISAで準備しようとする家庭が急増しています。大切な子どもの将来のための資金づくりにおいて、学資保険とNISA、果たしてどちらを選ぶのが正解なのでしょうか?それぞれの強みと弱点を正しく理解し、ご家庭に合った選択をすることが重要です。
「学資保険」の強みと見落としがちな弱点
学資保険は、毎月決まった保険料を支払い、子どもが18歳(大学入学時)などの節目にお祝い金や満期学資金を受け取れる「貯蓄型の保険」です。
1.最大の強みは「万が一の保障」と「強制力」
親(契約者)に万が一のこと(死亡や高度障害など)があった場合、それ以降の保険料の支払いが「免除」され、かつ予定通りの学資金を子どもが受け取れるのが最大のメリットです。また、毎月自動で引き落とされるため、確実にお金が貯まる強制力があります。
2.弱点は「増えにくさ」と「インフレへの弱さ」
現在の超低金利下では、18年間積み立てても払った額より数%しか増えないケースがほとんどです(特約をつけると元本割れすることもあります)。さらに恐ろしいのがインフレのリスクです。18年後に物価や大学の学費が大きく値上がりしていた場合、固定の金額しか受け取れない学資保険では、実質的なお金の価値が目減りし、学費が足りなくなる危険性があります。
「新NISA」の強みと注意すべきリスク
新NISAの「つみたて投資枠」を使って、投資信託で教育資金を準備するご家庭が増えています。
1.強みは「インフレ対策」と「圧倒的な柔軟性」
世界経済の成長に連動する投資信託などを選ぶことで、物価上昇(インフレ)以上の利回りで効率よく資産を増やせる可能性が高いのが最大の魅力です。また、学資保険のように「18歳まで引き出せない」といった縛りがなく、中学受験や高校入学など、予定外のタイミングでお金が必要になった際にも、必要な分だけを柔軟に引き出して使える使い勝手の良さがあります。
2.弱点は「元本割れリスク」と「引き出し時のタイミング」
NISAは投資であるため、相場の状況によっては元本割れするリスクがあります。最も怖いのは、子どもが18歳になり「いざ学費を払おう」というタイミングで大暴落が起きてしまうことです。必要な時に資産が減っている可能性がある点は、最大の注意点です。
最適解は「絶対に減らせないお金」との使い分け
では、どちらを選ぶべきか。結論から言うと、「どちらか一方に絞るのではなく、お金の性格に合わせて使い分ける、またはリスクをコントロールする」のが現代の正解です。
例えば、「高校までの学費や、絶対に足りないと困る最低限の資金」は、元本が保証された預貯金(または少額の学資保険)で手堅くキープする。そして、「大学入学用の大きな資金や、さらにプラスアルファで増やしたいお金」は、NISAで積極的に増やしていく、というハイブリッド型です。
また、NISAで全額準備する場合は、子どもが15歳〜16歳になり目標金額に近づいた段階で、株式から値動きの少ない債券や「現金(預貯金)」へ少しずつ移していく(利益確定させる)ことで、18歳時点の暴落リスクを回避するテクニックが必須となります。
「いつ、いくら必要か」をプロと正確に逆算する
教育資金の準備は、お子様の年齢や進路希望(公立か私立か、理系か文系か)、そして現在の家計状況によって、目標金額が数百万円から一千万円以上まで大きく変動します。
「毎月いくらNISAに回せば、18年後に間に合うのか?」「学資保険は解約せずに残すべきか?」
この複雑なパズルを解くために、まずはIFAやFPに相談し、ご家庭専用の「教育資金シミュレーション」を作成してもらいましょう。ゴールから正確に逆算して、NISAと預貯金(または保険)のベストな黄金比率を提案してもらうこと。これこそが、大切なお子様の将来の可能性を広げるための、最も確実な初期準備となります。